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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻3号

1984年03月発行

今月の主題 Crohn病の経過

主題

Crohn病の臨床経過―5年以上観察例

著者: 樋渡信夫1 後藤由夫1 渡辺晃2

所属機関: 1東北大学医学部第3内科 2国立仙台病院消化器科

ページ範囲:P.251 - P.264

文献概要

要旨 5年以上にわたり,経過を観察しえたCrohn病10例を対象として,X線,内視鏡所見の経時的変化と共に,現在の社会生活状況につき検討し,現時点までの成績より次の結論を得た.①非切除例ではskin lesion間の病変の進展はみられるものの,口側,肛門側への進展はほとんどみられなかった.②小腸の敷石像を伴わない縦走潰瘍は,長年にわたりほとんど変化せず経過しており,長い狭窄への進展はみられなかった.③小腸,大腸いずれにおいても,敷石像から狭小,狭窄や瘻孔形成へと進展する例が多くみられた.④多発するアフタ様潰瘍や小潰瘍は,内科的治療が著効を示した症例では消失する場合もみられたが,無効の症例や再燃を繰り返すうちに敷石像へと進展することが多かった.⑤肛門部病変は経過中8例にみられ,著明な狭窄,尿道瘻,腟瘻をそれぞれ1例に認めた.根治手術を施行し再発のみられない1例を除き,再燃を繰り返している.⑥現在の社会生活状況についてみると,ほぼ正常3例,制限つき3例,入退院の繰り返し2例,腸閉塞,狭窄のため最近腸切除術を施行して社会復帰したのが2例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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