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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻3号

1984年03月発行

今月の主題 Crohn病の経過

主題症例 Crohn病の経過観察例―経過観察によってCrohn病が否定された症例

急性大腸Crohn病が疑われ追跡検査の結果,潰瘍性大腸炎と考えられた1例

著者: 小西文雄1 武藤徹一郎1 上谷潤二郎1 重松宏1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.313 - P.316

文献概要

要旨 31歳男性.急性大腸炎でステロイドによる治療が無効であったため全結腸切除を施行した.切除標本では直腸から下行結腸にかけて広範囲に潰瘍性病変があり,この主病巣より口側に非連続的に散在する小潰瘍を認めた.組織学的には主病巣部にはfissuring ulcerを,また,それより口側では散在する小炎症巣を認めた.以上よりunclassified colitisとしたが,Crohn病である可能性が考えられた.手術後2年9カ月に及び残存直腸の追跡検査を行ったが,Crohn病を示す所見は認められず,潰瘍性大腸炎に一致する所見を得た.また,小腸二重造影や回腸の内視鏡検査では異常所見がなかったので,潰瘍性大腸炎であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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