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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻3号

1984年03月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病の経過 主題症例 Crohn病の経過観察例―完治したと思われる症例

無治療で寛解期が1年持続している大腸Crohn病の長期観察例

著者: 横山善文1 伊藤誠1 吉岡宣夫1 近藤芳正1 稲熊秀樹1 犬飼政美1 友松武1 勝見康平1 武内俊彦1 蜂矢仁2 鈴木敏行2 鈴木邦彦2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科 2刈谷総合病院内科

ページ範囲:P.317 - P.320

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要旨 5年間の経過観察中,臨床的に1度も増悪をみず,少なくとも最近1年間は寛解状態にあると考えられる大腸Crohn病の1例を経験したので報告した.症例は28歳,男性.粘液便と上腹部痛を主訴として来院した.初診時,上腹部に腫瘤を触れ,肛門部に痔瘻を認めた.注腸X線および内視鏡検査で横行結腸に縦走潰瘍とcobblestone appearance,上行および下行結腸にアフタ様潰瘍を認め,大腸Crohn病と診断した.salazopyrin単独投与による治療を4年間続け,臨床症状およびX線所見も著明に改善されたため,休薬して経過観察を行っているが,1年後の現在再発の徴候は認められず,X線および内視鏡所見も横行結腸に線状縦走潰瘍瘢痕像を残すのみとなっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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