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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻3号

1984年03月発行

今月の主題 Crohn病の経過

主題症例 Crohn病の経過観察例―急激に悪化した症例

術後早期に再発を繰り返したCrohn病の1例

著者: 興梠憲男1 飯田三雄1 渕上忠彦1 藤堂省2 池田靖洋2

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.321 - P.326

文献概要

要旨 症例は20歳,男性,下腹部痛,発熱,体重減少を主訴として,1975年5月,当科に入院した.現症で,会陰部瘻孔を認めた.X線・内視鏡検査にてCrohn病と診断され,内科的治療を行ったが,再燃を繰り返し,1979年6月,狭窄のため右半結腸と回腸末端切除術が施行された.術中内視鏡検査で残存小腸は正常であり,組織学的にも切除断端は健常であるのを確認したが,術後42日目に吻合部に再発を認めた.1980年1月には癒着性腸閉塞で手術が施行され,病変部の切除が行われたが,術後40日目に再発した.その後も再燃を繰り返し,会陰部瘻孔のため2期的に手術が施行された.現在,会陰部瘻孔は治癒するも,回腸瘻周囲の瘻孔が新たに生じ,入院加療中である.本症の外科的手術による根治は困難であり,その適応は慎重であるべきと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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