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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻3号

1984年03月発行

今月の主題 Crohn病の経過

主題症例 Crohn病の経過観察例―術後長期観察している症例

長期経過観察中のCrohn病の1例―術後再発の進展様式について

著者: 山本佳正1 勝又伴栄1 武宮宗康1 相羽英雄1 五十嵐正広1 岡部治弥1 高橋俊毅2 中英男3 湯川研一4

所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里大学医学部外科 3北里大学医学部病理 4湯川胃腸病院

ページ範囲:P.327 - P.332

文献概要

要旨 患者は14歳女性.1974年2月腹痛出現.肛門周囲膿瘍もみられ1975年7月本院受診.注腸造影,大腸鏡にてCrohn病と診断し1976年3月22日手術を施行.病理学的にもCrohn病と診断.1976年12月吻合部の再発が指摘され,1978年7月2回目の手術を施行.再手術後の経過観察では,1979年8月注腸造影にて吻合部口側20cmにわたり顆粒状粘膜,アフタ様潰瘍,偏在性壁硬化を,大腸鏡ではアフタ様潰瘍が散見された.同年9月アフタ様潰瘍の拡大と増悪がみられ,同年12月不整~縦走潰瘍や仮性ポリープを伴う敷石状外観となった.1981年3月吻合部を中心に縦走潰瘍,敷石状外観の進展,管腔狭小化を認めた.metronidazole投与2カ月後の1981年6月,吻合部近傍の潰瘍の多くは瘢痕化し狭窄と仮性ポリープを残すのみとなった.本例の特徴は術後の変化を経時的に詳しく追跡しえたことであり,アフタ様潰瘍から敷石状外観への変化が確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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