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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻4号

1984年04月発行

文献概要

今月の主題 肝内結石症―最近の知見をめぐって 主題

病理面からみた肝内結石症の病態

著者: 中沼安二1 寺田忠史1 太田五六1

所属機関: 1金沢大学医学部第2病理

ページ範囲:P.405 - P.411

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要旨 肝内結石症の結石含有胆管は,拡張と相対的狭窄を示し,その基本的組織像は慢性増殖性胆管炎であり,線維増生,炎症性細胞浸潤および腺組織の増生がみられた.これら3つの基本病変は症例により,胆管のレベルにより変動を示した.そして,この増生した腺組織から分泌される粘液が肝内結石の形成,成長に何らかの役割を果たすと考えられた.肝内胆管拡張が結石形成に先行する症例があり,特に孤立性肝内胆管拡張症の検索が重要と考えられた.肝内結石症の約10%以下の症例に肝内胆管癌の合併がみられ,慢性増殖性胆管炎にみられる異型胆管上皮の過形成が胆管癌の前駆病変と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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