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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻4号

1984年04月発行

文献概要

今月の主題 肝内結石症―最近の知見をめぐって 主題

肝内結石症の治療―肝切除を中心に

著者: 柿田章1 高橋毅1 上林正昭1 松下通明1 佐治裕1 円谷敏彦1 葛西洋一1

所属機関: 1北海道大学医学部第1外科

ページ範囲:P.419 - P.425

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要旨 肝内結石症68例を検討し,肝切除術の本症治療上の意義を考察した.結石の局在,胆管形態異常(狭窄・拡張)は左葉に多く,右葉のみのものは少なかった.狭窄例は68例中44%にみられた.肝切除は左右肝管のいずれかの狭窄例の60%,それより末梢の狭窄例の50%に施行した.切除肝の組織学的検索では,胆管周囲の線維組織内に密在する腺管様構造が多数みられ,これらは粘液産生性で,器質的変化は高度であった.治療成績は,高度の狭窄例では切除群に良好で,94.4%が社会復帰した.非切除群の良好例は76.9%であった.すなわち,高度の胆管障害例では胆管の器質的変化も著明で,肝切除が有効と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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