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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻5号

1984年05月発行

文献概要

今月の主題 受容体拮抗薬の位置づけ 主題

ヒスタミンH2受容体拮抗薬と再発

著者: 岩越一彦1 岡博行1 阿部和夫1 浅田修二1 大柴三郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.515 - P.520

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要旨 Histamine H2-receptor antagonist(ranitidine)にて治療した消化性潰瘍の再発について検討した,対象は胃潰瘍67例,十二指腸潰瘍56例であった.再発防止に大きく貢献した因子として抗潰瘍薬の服用があった.特にranitidineの服用が明らかに再発率を低下させていた.投与薬剤別にみた累積再発率にて以下のことが明らかとなった.①非投与群は薬剤服用群に比して有意に累積再発率は高かった.②薬剤の種類(ranitidineと他の抗潰瘍剤)には累積再発率の差は認めなかった.③薬剤服用が初期(潰瘍治癒後1年)の間,再発防止をしていた.以上のことから,自験例のごとくranitidineにて治癒した消化性潰瘍は治癒後のacid reboundを防ぐ目的として薬剤服用が必要であると推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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