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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻5号

1984年05月発行

文献概要

今月の主題 受容体拮抗薬の位置づけ 主題

胃潰瘍発生機構に対する粘膜血流の役割―H2レセプター拮抗薬と迷切術の影響

著者: 北島政樹1 上田光久1 相馬智1

所属機関: 1杏林大学医学部第1外科

ページ範囲:P.535 - P.541

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要旨 胃潰瘍発生について粘膜血流の重要性が今日注目を浴びている.そこで実験的にラットを用いXe-133,水素ガスクリアランス法および水素ガス電解式法により血流を測定した.同時にH2レセプター拮抗薬と迷切術の影響についても併せ検討を行った.その結果,粘膜血流の測定法により血流値は異なるが,いずれも経時的変化は一定であり,血流減少と潰瘍発生頻度には相関関係が認められた.この血流の減少により組織PO2値,粘膜ATP値,Energy chargeの減少も認められた.また,H2レセプター拮抗薬は攻撃および防御因子に対するdual actionを呈したが,迷切術は攻撃因子に対する効果のみであり,前者により潰瘍の発生を予防しえた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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