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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻5号

1984年05月発行

文献概要

今月の主題 受容体拮抗薬の位置づけ 主題

胃粘膜防御機構と粘液成分―mucus-bicarbonate barrier

著者: 上地六男1 中島弥生1 川村雅枝1 中井呈子1 前田淳1 赤上晃1 山下克子1 横山泉1

所属機関: 1東京女子医科大学成人医学センター

ページ範囲:P.543 - P.548

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要旨 酸から胃粘膜を防御するには粘液ゲル(糖蛋白)だけではできないが,少なくともH+のHCO3-による表面中和のために排撹拌層としては大きな力を発揮する.また,HCO3-の分泌速度は最大刺激時の酸生産量の5~10%になり,単純に計算して1/10がHCO3-で中和される.そのほか,粘液ゲルの物理化学的,幾何学的変化によって容積拡大や粘性変化が起こり,酸の拡散は更に鈍るものと思われる.そこでわれわれはmucus-bicarbonate barrierの重要性を認識し,臨床的に検討した.更に臨床的にH2-receptor blockerの防御因子に対する影響も検討し,その結果,防御因子の低下については慎重に結論を出す必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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