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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻5号

1984年05月発行

文献概要

研究

胃底腺粘膜から発生した癌の粘膜下組織における進展過程―特に潰瘍との関係について

著者: 荒木恒敏12 池園洋12 中村恭一1 牧野哲也2 細井董三2 西沢護2

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理 2東京都がん検診センター

ページ範囲:P.579 - P.587

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要旨 胃底腺粘膜から発生した癌の粘膜下組織における進展過程を調べた.特に粘膜下組織への浸潤と粘膜内進展部の潰瘍化との前後関係を調べ,linitis plastica型癌の初期像(pre-linitis plastica)について検討した.対象は胃底腺粘膜から発生した癌のうち,いわゆるBorrmann4型癌,典型的linitis plastica型癌を除いた65症例71病巣である,組織学的検索後,構築図を作成し粘膜内進展部の大きさ,粘膜下組織における癌細胞の拡がりの大きさと密な線維化巣の大きさを計測した.線維化巣外縁から粘膜下組織における癌先進部までの最大距離,潰瘍形成を調べた.対象の肉眼型は90%が陥凹型であった.64.1%が粘膜下組織以深へ浸潤していた.①潰瘍の有無と粘膜下組織における線維化巣と癌の拡がりとの関係,および②粘膜内進展部の大きさと粘膜下組織における線維化巣と癌の拡がりの大きさとの関係,を調べ報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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