icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻6号

1984年06月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫症の経過と予後 主題症例

大きな十二指腸乳頭部腺腫を合併した大腸腺腫症の1例

著者: 杉原健一1 武藤徹一郎1 久保田芳郎1 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.673 - P.677

文献購入ページに移動
要旨 症例は37歳の男性で,1974年9月に家族性大腸腺腫症の診断にて結腸全摘術を受けた.大腸の腺腫は密生型で,進行癌はなかった.その後,年に数回の頻度で残存直腸のポリープ摘除を目的として外来通院していた.初回入院時,1976年5月,1977年3月,1979年4月の計4回にわたって上部消化管X線検査を施行したが,胃・十二指腸にポリープを認めなかった.1983年4月に無症状であったが,定期検査として上部消化管内視鏡検査を行ったところ,十二指腸乳頭および副乳頭の腫大を認め,生検にて腺腫と診断されたため,経十二指腸的に腫瘤切除を施行した.乳頭はO.8×1.6cm,副乳頭は0.8×1.4cmの腺腫で,悪性所見はなかった.大腸腺腫症患者の上部消化管にはポリープが高頻度に合併し,また,胃癌,十二指腸傍乳頭部癌も多数報告されていることから,大腸腺腫症患者のfollow-upの際,定期的に上部消化管を検索することが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら