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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻6号

1984年06月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫症の経過と予後 主題症例

多発大腸微小カルチノイドを有する家族性大腸腺腫症の1例

著者: 岩渕三哉1 渡辺英伸1 伊津野稔1 須田武保1 遠城寺宗知2

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理 2九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.679 - P.683

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要旨 26歳男性,左下腹部の痛みと腫瘤,粘血便を主訴として受診.家族性大腸腺腫症に伴う大腸癌と診断され,大腸亜全摘を受けたが,術後8カ月で同癌の肝転移のために死亡.大腸の全割標本で,無数の腺腫,16個の腺癌,168個の内分泌細胞微小胞巣の巣状集団が確認された.同集団は,直腸~S状結腸に多く分布し,腺腫の深部にみられることが多かった.同集団は1~38個の同胞巣から成り,大きさは12~1,050μmで,あるものは粘膜下層へ浸潤していた.同胞巣はすべて好銀性細胞で構成され,電顕的に径140nmの円形顆粒を有する内分泌細胞(D1細胞)の均一集団で形成されていた.以上の特徴を有する内分泌細胞微小胞巣の巣状集団は,通常の大腸疾患にみられず,家族性大腸腺腫症に随伴する微小カルチノイドおよびカルチノイドの芽と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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