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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻6号

1984年06月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫症の経過と予後 主題症例

家族性大腸腺腫症の結腸全摘1年3ヵ月後に巨大な後腹膜線維肉腫の認められた1例

著者: 渋谷進1 更科広実2 菊池正教1 中村恭一1

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理 2筑波大学臨床医学系外科

ページ範囲:P.689 - P.693

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要旨 家族性大腸腺腫症の結腸全摘後約1年に左下腹部腫瘤がみられ来院.その腫瘤が急速に増大し,呼吸困難が出現したため入院.腹部超音波検査にて腫瘤は左腹部全体を占居していた.腹部血管造影検査にてその腫瘤は腰動脈と上腸間膜動脈によって栄養されていた.更に左腎は排出機能の低下を示していた.手術は回腸部分切除,左腎摘出術,左総腸骨動脈再建,姑息的腫瘤切除術を施行した.切除標本にて,被膜に覆われた腫瘤の大きさは35.5×27.0×14.Ocmで,その重量は7.8kgであった.組織学的には線維肉腫であった.家族性大腸腺腫症の結腸全摘1年3ヵ月後に巨大な後腹膜線維肉腫の認められた1例を経験したので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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