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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻7号

1984年07月発行

Coffee Break

アメーバ赤痢にご用心!

著者: 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学第1外科

ページ範囲:P.772 - P.772

文献概要

 IBDの診断の際に,アメーバ赤痢が穴であることのお話をもう1つ.

 急性型は教科書に書いてあるように赤いhaloを伴う潰瘍が特徴的であるが,これも一度も見たことがないとまごつく.イギリスでこれを初めて見たときも何だかわからず,生検を採ってから,次の検査を同じスコープで行い,後日アメーバ赤痢であることが判明して肝を冷した.幸い次の患者に感染は起こらなかったが…….ひどい場合には1日10回の下痢,低蛋白血症を伴い,注腸造影で著明な狭窄を示すような例もある.この例でも最初の生検に既に栄養型アメーバが存在していたが,やはり壊死組織の中に少数認められるだけのために見落とされていたものである.臨床家,特に内視鏡医がアメーバ赤痢に疑いを持つこと,それを病理に知らせることがいかに大切かがわかる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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