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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻9号

1984年09月発行

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書評「Liver Transplantation」 フリーアクセス

著者: 水戸廸郎1

所属機関: 1旭川医科大学第2外科

ページ範囲:P.958 - P.958

文献概要

 1960年代は,臓器の入れ替え,すなわち腎臓,肝臓,膵臓などの移植が臨床に適用されだした,医療にとっては画期的な年代であった.しかし,臓器の機能不全に対する根治的治療法として確立し,普及したものは腎移植のみであり,肝臓移植は1963年3月既にコロラド大学のDr. Starzlによって最初の臨床が行われたにもかかわらず,今日まで限られた施設で臨床実験が積み重ねられているにすぎなかった.限られた肝臓移植の臨床家のたゆまざる研究成果は,手技上の改良とサイクロスポリンAなどの新しい免疫抑制剤の導入へとつながり,1980年以降は肝臓移植の症例も急速に増加し,昨年の6月の4施設の集計によると540例に達し,また1年生存率も60%を超えるに及んだ.

 このように,肝臓移植を“治療”のレベルにすることに貢献した専門家は,米国の雄,Starzl教授であり,他方は欧州の雄である本書の編集者Calne教授であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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