icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻9号

1984年09月発行

今月の主題 胃潰瘍の治癒判定

主題

病態生理の立場からみた胃潰瘍の治癒判定

著者: 三宅健夫1

所属機関: 1京都大学医学部老年医学

ページ範囲:P.1001 - P.1009

文献概要

要旨 胃潰瘍の内視鏡的治癒判定は従来,白苔が消失した時期をもってなされてきた.その多くは赤色瘢痕がこれに相当する.われわれは多年ヒト胃潰瘍の切除胃について,内視鏡像,実体拡大像,走査・透過電顕像および組織像などの相関を求めて,胃潰瘍の治癒過程を観察してきた.実体拡大像では,初期(A1~A2),成長期(H1~H2),柵状瘢痕期(S1)および敷石状瘢痕期(S2,一部S1)に分類される.柵状瘢痕期は敷石状瘢痕期に比べると,再生上皮の性状は形態的機能的両面において未成熟の段階にあり,分化の途上にある幼若細胞が単に潰瘍面を覆いつくしたにすぎない.また,赤色瘢痕における再発頻度も高い.したがって潰瘍の治癒判定にはS1またはS2と明記すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら