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文献詳細

雑誌文献

胃と腸2巻1号

1967年01月発行

今月の主題 十二指腸潰瘍〔1〕

綜説

十二指腸潰瘍のX線診断

著者: 山口保12

所属機関: 1青森県立中央病院第3内科成人病科 2弘前大学医学部松永内科

ページ範囲:P.17 - P.26

文献概要

1.はじめに

 十二指腸潰瘍の発生頻度は,昭和40年度胃集団検診全国集計では,100人に対して16.7であり,胃潰瘍27.0のそれに比べてやや少ない.

 われわれの教室の集検例では胃潰瘍と十二指腸潰瘍は16.4:0.45であり,精密検査例でも184例と52例3.5:1の数字を示している.

 欧米の1.2:1また全国集計例の1.6:1に比べてかなりの差異があるが,地域的にも,またその他の種々の因子があることが考えられる.

 また,十二指腸潰瘍の手術例についての術前のX線診断上の一致率は97.5%から60%に至る幅のある報告がある.X線診断決定の手技がかなりの影響を及ぼすものと思う.

 十二指腸球部の内視鏡検査がその内腔の狭小,挿入時の技術上の困難さなどから胃における内視鏡診断の価値には到底及ばない現在では.X線検査法が最も正確かつ重要な診断法である.

 日常の十二指腸潰瘍のX線診断において,胃潰瘍よりもその所見の描出が難しいことはX線診断を行なう者の常に経験するところであるが,その診断法の実際上の手技について,われわれが常に行なっている方法・手技を中心に,極めて卑近にしてまた実際的な面のみから二,三述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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