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文献詳細

雑誌文献

胃と腸2巻11号

1967年11月発行

文献概要

今月の主題 慢性胃炎2 綜説

慢性胃炎のレ線診断

著者: 青山大三1

所属機関: 1大阪回生病院放射線科

ページ範囲:P.1373 - P.1382

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Ⅰ.はじめに

 慢性胃炎は現在では一疾患単位と考えるべきかどうかについてはかなり疑問が残されている.また慢性胃炎には愁訴があるかないかという点でも,臨床的に疑問がある.

 近年胃カメラ,ファイバースコープ,細胞診,胃生検などの進歩により慢性胃炎の診断は精密になってきているが,ある学者は慢性胃炎の診断は生検のように一つの点の診断ではなく,ある広がりをもった面の診断でなくてはならぬとしているむきもある.このような意味ではレ線,内視鏡の診断でその広がりの因子を含めれば,かなり役立つところが多く,また,そのそれぞれが進歩すれば相まってより精確な診断がなされるようになるだろう.

 レ線的,内視鏡的,摘出胃の組織学的などの各種の診断が先人のものでは多種多様で,学者によって異なったりしているので,それぞれの立場による診断の横の関連性が問題になり,場合によっては翻訳すら必要とすることもある.

 特に1950年以前ではレ線的には特記するものはないと思われる.現在では内視鏡的診断と同様にレ線診断も可及的に病理組織学的診断名に近づけなくてはならない.レ線的には凹凸で,内視鏡的には色調,運動,伸展性などで診断して,できれば生検でさらに詳細に分析して行くようにすれば,少しでも組織学的所見に近づけるようである.しかし組織学的でなければわからないものも当然あるわけであって,レ線内視鏡では不明のものもあることは充分知っておかなくてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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