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文献詳細

雑誌文献

胃と腸2巻4号

1967年04月発行

文献概要

今月の主題 胃微細病変の診断 綜説

早期胃癌の内視鏡診断―ⅡaおよびⅡcの胃カメラ像を中心として

著者: 城所仂1 越川宏一1 竹添和英1 大原順三1 相馬智1 鵜川四郎1 瀬戸律治1 城島嘉昭1 後藤一博1 須川暢一1 山川達郎1 片柳照類1

所属機関: 1東京大学分院外科

ページ範囲:P.461 - P.469

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Ⅰ.はじめに

 ここ数年間における胃癌の診断学の発展はまことに目ざましく,今日では粘膜の一部に限局した早期のものが術前に確診されることも多くなった.これはX線検査,内視鏡検査,細胞診,生検など診断技術の進歩によるものであるが,その先鞭となったのは胃カメラの普及である.すなわち胃カメラは創始後撓みなく改良が加えられて,挿入,撮影などの検査手技が簡便になり,また患者の苦痛も著しく軽減されたため,驚く程短期間に胃のルーチン検査法として診療の第一線にまで普及するに至った.その結果胃カメラによる早期胃癌例の発見がにわかに増加し,しかもそのカラーによるすぐれた記録性により胃癌の早期像の客観的な把握が可能となった.これがその他の検査法の発展に大きく寄与し,さらにそれらの知見が胃カメラ診断の面に生かされるなど,急速に早期胃癌の診断学の体系化がすすめられることになったのである.

 そして最近のファイバースコープの驚異的進歩は,胃内の一層詳細な観察能ならびに記録性に加えて直視下での細胞診や生検をも容易にし,胃癌診断法の飛躍的発展を迎えつつある.

 昨年11月内視鏡学会第4回秋季大会のシンポジウムに「微細病変の診断および診断の限界」というテーマがとりあげられた.そのうちの早期胃癌の部では,北海道大学高杉内科の村島先生,新潟がんセンターの原先生,昭和医大村上外科の安井先生,愛知がんセンターの加藤先生,高瀬先生,徳島大学油谷内科の竹内先生,岸先生,鳥取大学石原内科の橋本先生,広島大学浦城内科の江木先生から興味ある症例報告がなされ,現在の内視鏡診断の一般的レベルが明らかにされた.その際著者の一人竹添も早期胃癌,特に比較的小さなⅡaおよびⅡcの胃カメラ像を中心に2,3発言させていただいた.本稿でもそれをもとに胃カメラ診断の問題点についてふれ,またそれに関連して教室の早期癌例における細胞診,生検の成績をつけ加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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