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先輩訪問
“世界消化器病学会への道”―川島震一先生を訪ねて
著者: 市川平三郎1
所属機関: 1国立がんセンター集検部
ページ範囲:P.554 - P.563
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川島大学を出たのが大正12年ですから例の関東大震災のあった年ですが,そのころ稲田先生がまだ潑刺として働き盛で,外国に2度目の旅行をなさって御帰朝早々,Berlin大学Bergmann教授のシステムなどを医局に取入れられて,専門別に研究systemを作られ,その制度下で医局一同張り切り,競って非常に勉強いたしました.顧みますと当時東大3内科のうち,一番おそくまで勉強した教室でした.大体午後7~9時ごろ帰る人は早い方で10~11時過ぎないと帰らない連中が,半分くらい医局におりました.わたしはそのころ,先輩方から頼まれたことはなんでも引受けてやって見る決心で,当直も研究参加も悉く引受け,人の2倍くらい働かして頂きましたね.そのころ初めには,茂在先生(今,中尾内科の茂在先生の父上)の血清蛋白,引続いて血清のミネラルの変化のお手伝いをしました.そのころ蛋白質,ミネラル,水代謝,植物神経系統の研究が始まった頃と思いますが,その茂在中心のグループが,6,7人おりました.又そのミネラルの仕事に関連してヒペルベンチラチオン・ス・テタニーの際の血清の酸塩基平衡の問題にとり組みました.その時分に佐々(貫之)先生のムスケル・トーヌスの仕事の手伝い,田宮先生のカルヂオ・スパスムスの実験的研究を致しましてね.
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