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文献詳細

雑誌文献

胃と腸2巻6号

1967年06月発行

文献概要

今月の主題 胃のびらん 綜説

びらん診断の内視鏡的限界

著者: 吉田隆亮1 岡部治弥1 広門一孝1 八尾恒良1 古賀安彦1 堀之内幸士1 増田信生1 藤原侃1 三井久三1 崎村正弘1 上月武志1 谷啓輔1 為近義夫1 本多武彦1

所属機関: 1九州大学医学部勝木内科

ページ範囲:P.767 - P.776

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Ⅰ.はじめに

 X線,内視鏡診断の目覚ましい進歩によって診断の焦点は必然的に胃内の微小な病変へ向けられて来ており,内視鏡に限っても優秀な機械の出現が盲点を殆んど克服したと云える段階になった今,微細病変をより確実に,容易に診断する事が今後の内視鏡分野にとり残された一つの課題と云える.

 かかる観点から眺める時,びらんは微細診断のための好材料であり,かつ早期癌診断の一つの指標となりうるものと考える.

 さて,びらんが臨床面と結びつくのはいかなる場合であろうか.1.微細早期胃癌診断の一つの拠り所が潜在している可能性がある,2.内視鏡的に特異な像を呈し激しい臨床症状を示すびらん性胃炎,3.びらんと潰瘍の関係の分析などをあげることができる.しかし,本文では異なった観点から広くびらんを眺めてみたい.すなわち内視鏡を最大限に駆使した時点における内視鏡診断の限界――びらんの内視鏡像(質的診断),量的診断すなわち存在診断の限界,びらんの鑑別診断――は如何であるかについて検討してみたいと思う.ここでびらんを診断する手掛りが必要となって来る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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