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文献詳細

雑誌文献

胃と腸2巻8号

1967年08月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍 綜説

難治性潰瘍のX線診断

著者: 白壁彦夫1 西沢護1 日暮協1 早川尚男1 大久保春男1 吉川保雄1 野本一夫1 伊藤俊夫1 狩谷淳1 上野正己1 塚田隆憲1 林学1 丸山雅一1

所属機関: 1千葉大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1005 - P.1018

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 難治ということは,治療して経過をみても治癒しないということであるが,さて,文献を調べると,これほど多くの人々により論じられているものも少ないであろう.専門家が同じ検査法で同じように経過をみていながら,その成績を細かく分析すると諸点で差違がある.この泥沼にわれわれも足をふみ入れた.はっきり言って,われわれは厳密な立場に立って討論することはできない.ただ,経験をのべたり,自分はこう思うという考え方を主張できるにすぎないような気がする.内科の側から潰瘍の経過をみた人たちの成績が,細かい点で差があるといったが,或る点では主張が等しいところもある.何故か.みんなの心の中では自分の今までの経験から,難治とはこんな潰瘍だよと思っていても,その考えを科学的に実証する軌道にのせることができないという臨床的な悩みがある.それは,めいめいが同一の対象例を取扱うことができないという材料の不均一さにある,潰瘍についても発生してからの時期を任意に選び出すこともできない.従って,内科の側は,任意に適当な潰瘍を適当に経過をみて,その成績なり印象をのべているにすぎない,あとにその評価をのべるが,この方法がいまなおとられている現状である.

 外科の側の取扱い方は,手術後,切除標本を検索して潰瘍を調べ,その詳細な所見から潰瘍の実態はこうである,こうである筈だ,こうとしか考えられないという強い主張をのべているのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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