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今月の主題 胃の多発性潰瘍 綜説
多発性胃潰瘍の胃カメラによる診断
著者: 西沢護1 吉田貞利2 白壁彦夫1 日暮協1 早川尚男1 大久保春雄1 吉川保雄1 伊藤俊夫1 野本一夫1 狩谷淳1 上野正己1 塚田隆憲1 林学1 丸山雅一1 白浜龍興1 瀬川五雄1
所属機関: 1千葉大学医学部第一内科 2虎の門病院放射線科
ページ範囲:P.1159 - P.1167
文献購入ページに移動多発性胃潰瘍については,古くは外国においてはStarr Judd,Moynihan,C. H. Mayo;わが国においては,植村,岡本,南などの剖検例または手術例による比較的詳細な統計的記載1)2)3)4)があるが,X線,内視鏡による多発性胃潰瘍の診断が問題にされだしたのは,比較的近年になってからのことである.多発潰瘍が何故問題になってきたかというと,X線,内視鏡診断の向上にともない,診断がより微細になってきて,小潰瘍から瘢痕にまでおよんでくると,今まで剖検例や,切除胃においてしか問題にされなかった多発潰瘍が,術前に高頻度に診断されるようになってきたことと,経過観察が,比較的綿密になされるようになってきたからである,
多発潰瘍について,臨床的立場からもっとも知りたいことは,単発潰瘍に比べての,診断適中率手術適応,難治性などの問題であろう.これらのことは,すでに報告された文献をみてもその一部をうかがい知ることはできても,いまだ解決されない点の方が多いが,与えられたテーマである主に胃カメラを中心とした内視鏡診断という立場から,上述の問題のいくらかの足掛りを求めようと教室のデーターを整理してみた.
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