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胃と腸ノート
新しいX線写真の技術(2)
著者: 山田達哉1
所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部
ページ範囲:P.43 - P.43
文献購入ページに移動 Fig. 1は体下部前壁のⅡc型早期胃癌(深達度m,大きさ33×23mm,印環細胞癌,リンパ節転移0/22)の切除標本である.Fig. 2はホルマリン固定後の標本の粘膜上にバリウムを塗布してX線撮影したものである.Ⅱcの所見が,大変よく描写されている.
ところでFig. 3はFCR(Fuji Computed Radiography)によるこの症例の仰臥位二重造影像である.一般に病変が前壁に存在する場合には,二重造影像は腹臥位で撮影する.Fig. 3のように,仰臥位での撮影は一般に行わない.その理由は,前壁病変は仰臥位の二重造影像には所見が描写されないか,あるいは描写が不十分と考えられているし,実際にもそのとおりである.しかし,Fig. 3は,仰臥位の二重造影像にもかかわらず,Ⅱcの所見が実に明瞭に描写されている.Fig. 2の標本のX線写真よりも,Fig. 3の二重造影像のほうが,より微細な所見を描写していると考えられる.“偶然”と言うのには,余りにも見事すぎよう.
ところでFig. 3はFCR(Fuji Computed Radiography)によるこの症例の仰臥位二重造影像である.一般に病変が前壁に存在する場合には,二重造影像は腹臥位で撮影する.Fig. 3のように,仰臥位での撮影は一般に行わない.その理由は,前壁病変は仰臥位の二重造影像には所見が描写されないか,あるいは描写が不十分と考えられているし,実際にもそのとおりである.しかし,Fig. 3は,仰臥位の二重造影像にもかかわらず,Ⅱcの所見が実に明瞭に描写されている.Fig. 2の標本のX線写真よりも,Fig. 3の二重造影像のほうが,より微細な所見を描写していると考えられる.“偶然”と言うのには,余りにも見事すぎよう.
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