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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻1号

1985年01月発行

症例

胃リンパ細網細胞増生として6年半経過をみた早期胃悪性リンパ腫の1例

著者: 森脇昭介1 森田稔2 春間賢34 高嶋成光5

所属機関: 1国立病院四国がんセンター病理・臨床研究部 2国立病院四国がんセンター放射線科・臨床研究部 3国立病院四国がんセンター病理 4現広島大学医学部第1内科 5国立病院四国がんセンター外科・臨床研究部

ページ範囲:P.71 - P.76

文献概要

要旨 症例は68歳,男性.心窩部痛,下血を主訴とし某病院を訪れ,当院を紹介された.胃X線検査,内視鏡で多発潰瘍とその瘢痕と診断,生検でGroup Ⅱ,lymphoreticular hyperplasia(LH)として6年半経過観察した.自覚症状増強するため胃3/4の摘出術を受ける.手術材料の肉眼所見で,胃体部の小彎から前後壁にかけて浅い多発潰瘍と皺襞の集中をみる.組織学的にLHと組織球型悪性リンパ腫が混在,移行する.潰瘍はUl-Ⅲ,深達度はsmの早期例である.本例からLHの悪性化が推測できた貴重な症例と考える.LHの本態は橋本病に類似する自己免疫機序による特異な局所反応性胃炎を推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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