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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻1号

1985年01月発行

文献概要

症例

腸結核の合併がみられた原発巣不明の小腸・大腸癌の1例

著者: 多田正大1 清水誠治1 田中義憲1 山本実2 原田稔2 服部隆則3

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2高折病院 3福井医科大学第1病理

ページ範囲:P.81 - P.86

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要旨 腹部膨満感を訴え,74歳の女性が来院した.横行結腸に下掘れ潰瘍がみられ,その周辺粘膜は不整に結節状に隆起していた.回腸にも2か所にわたってapple-core様の狭窄性腫瘍が指摘された.そして回腸の2つの腫瘤の間の粘膜にはKerckring皺襞が失われ,線状潰瘍ないし瘢痕,偽憩室がみられた.切除材料の病理組織学的検索でも,大腸,小腸の病巣ともに低分化腺癌であり,いずれが原発巣か,あるいは重複癌であるのか確定診断はできなかった。更に回腸癌の周辺には腸結核の所見もみられ,癌と結核との因果関係についても興味が持たれた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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