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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻1号

1985年01月発行

文献概要

症例

直腸原発悪性リンパ腫の1例

著者: 藤盛孝博12 平山章3 長廻紘4 鈴木博孝4

所属機関: 1東京女子医科大学病院病理科 2現田畑胃腸病院 3東京女子医科大学病院病理科 4東京女子医科大学病院消化器病センター

ページ範囲:P.99 - P.103

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要旨 54歳,女性.粘血便を主訴に来院.指診にて直腸ポリープを指摘され,精査目的で当センター入院.内視鏡検査で肛門輪直下歯状線より約3~4cm口側,12時方向に表面にびらんを伴った扁平隆起が認められた.生検像から上皮性悪性腫瘍は考えにくく,内視鏡所見から悪性リンパ腫が疑われた.手術標本所見で腫瘍は4×2.5cmの扁平隆起で,境界明瞭であるが外膜浸潤を伴っていた.腫瘍細胞は血管内皮細胞の核と同じぐらいのものが主体で,なかには,やや大きめの核を有するものや,小型核のものも混在してみられた.くびれ核も散見される.核分裂像も目立たない.食細胞の出現も極めて少ない.腫瘍増殖はびまん性の所と明らかな濾胞構造を有する部分とが混在してみられた.以上から直腸原発の悪性リンパ腫で,組織分類(LSG)からは濾胞性中細胞型と診断した.免疫グロブリンを用いた酵素抗体法ではIgG(κ)にmonoclonarityを証明できた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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