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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻10号

1985年10月発行

文献概要

今月の主題 大腸ポリペクトミー後の経過 主題

大腸ポリペクトミー局所の組織学的経過

著者: 丸山雅一1 佐々木喬敏1 高橋孝2 太田博敏2 小鍛冶明照2 加藤洋3 柳沢昭夫3 舟田彰4 横山善文5

所属機関: 1癌研究会付属病院内科 2癌研究会付属病院外科 3癌研究会付属病院研究所病理部 4舟田病院 5名古屋市立大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1063 - P.1076

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要旨 内視鏡的ポリペクトミー後に手術を行った55病変のポリペクトミー標本およびポリペクトミー局所の肉眼的,組織学的検討を行い以下の知見を得た.(1)全病変の74.5%(41/55)にUl-Ⅱの潰瘍が認められた。この割合はポリペクトミーが安全に行われた割合である.(2)有茎性,亜有茎性の大部分は大きさに関係なくUl-Ⅱの潰瘍を形成するが,無茎性の病変は17mm以下の大きさではUl-Ⅱの潰瘍を形成し,18mm以上ではUl-Ⅲ,Ⅳの潰瘍を形成する.(3)ポリペクトミー局所の修復は病変の形態と大きさには関係なく大部分は30日の経過で瘢痕治癒する.(4)ポリペクトミー後の癌の残存は15病変に認められたが,これらの大部分は技術的に完全なポリペクトミーが不可能なmassive invasionを伴うsm癌であった.(5)ポリペクトミー後の癌の再発は3例あり,うち2例は進行癌であった.これら2例の再発進行癌のポリペクトミー標本の組織学的所見はmassive invasionに加えて粘液産生の著明なsm癌であった.癌の再発を早期に発見するためには内視鏡による短い間隔の厳重なfollow-upが不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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