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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻10号

1985年10月発行

症例

大腸壁在神経叢の神経細胞の変性・脱落による慢性偽性腸閉塞症の1例

著者: 松井敏幸12 飯田三雄12 岩下明徳3 久米一弘4 西野暢彦4 渕上忠彦5

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2現九州大学医学部第2内科 3松山赤十字病院病理 4松山赤十字病院外科 5松山赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.1131 - P.1139

文献概要

要旨 患者は31歳,女性.過去に排便に関する異常なく腸閉塞が発症した.妊娠7か月より徐々に便秘傾向となり,たまたま罹患した風疹後,全く便が出なくなり,緊急に人工肛門造設.その後腸閉塞の改善がないため,左半結腸切除術を施行した.X線学的に強い狭窄があったにもかかわらず,病理標本では狭窄はなく,腸閉塞の原因は腸管の攣縮によるものと判明した.病理組織学的には,粘膜・筋層の異常はなく,粘膜下および筋層間神経叢の神経細胞の変性・脱落が認められた.これが腸管の攣縮を引き起こしたと考えられた.この神経細胞の変性・脱落は妊娠+風疹によって生じたと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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