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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻10号

1985年10月発行

症例

多彩な胃病変を伴ったlymphomatoid granulomatosis(LYG)の1例

著者: 石田勉1 水谷保幸1 平井節子1 今井純生1 能登屋久志1 田垣茂1 河井裕1 平井英幸1 鈴木明1 吉田裕司2 小笠原実3 高見剛3 水無瀬昂4

所属機関: 1札幌医科大学第3内科 2北海道対癌協会検診センター 3札幌医科大学第1病理 4札幌医科大学第2病理

ページ範囲:P.1141 - P.1147

文献概要

要旨 極めてまれな合併症である胃病変を伴ったLYGの1例を報告すると共に,本症の臨床像,組織像,治療およびリンパ腫との関係などにつき略述した.患者は60歳,男性.食欲不振,体重減少を主訴として来院,諸検査の結果,肺,胃,腎,皮膚,末梢神経に病変を認め,生検所見よりLiebowらの記載したLYGに合致する疾患と診断した.本症例は経過中に3度胃病変の出現を認めた.つまり,第1回入院時には非連続性に潰瘍,腫瘤,および肥厚した粘膜ひだが混在しており,また第2回入院時には単発性の大きな腫瘤を,更に第3回入院時には非連続性の多発性隆起性病変と非常に多彩な変化を呈した.LYGの薬物療法はいまだ確立されていないが,前2回の病変に対しPDNとCPAの併用療法は有効であった.LYGの胃X線および胃内視鏡所見に関する報告は外国文献をみてもなく,この報告が最初のものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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