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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻11号

1985年11月発行

今月の主題 内視鏡的乳頭括約筋切開術の長期成績

主題

内視鏡的乳頭括約筋切開術の長期成積―再発結石と胆囊無石・有石例の検討を中心に

著者: 池田靖洋1 田中雅夫2 松本伸二2 吉本英夫2

所属機関: 1福岡大学医学部第1外科 2九州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1169 - P.1180

文献概要

要旨 EST後6か月以上(最長10年6か月)経過例411例を対象に,主に胆管結石の再発と有胆囊例の予後につき検討した.アンケート調査は,100%に追跡データが得られ,胆摘後例240例では無愁訴207例,有愁訴7例,死亡26例(他因死19・関連死4・不明死3);有胆囊122例では無愁訴99例,有愁訴3例,死亡20例(他因死17・不明死3);総胆管肝内結石症49例では無愁訴36例,有愁訴5例,死亡8例(他因死4・関連死3・不明死1)であった.再発結石は,肝内結石例を除く362例中,21例(5.8%)にみられた.結石除去から再発診断時点までの期間は平均2年5か月であった.有胆囊例の予後は,無石胆囊91例で,急性胆囊炎を惹起し手術を受けた症例は皆無であった.しかし無石胆囊内に結石が新生したとみなされる例が2例あった.一方,胆囊有石31例(うち,胆囊不影5例)中,急性胆囊炎を生じた例は5例(16%)であった.より長期にわたる綿密なfollow-up studyの必要性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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