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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻11号

1985年11月発行

文献概要

今月の主題 内視鏡的乳頭括約筋切開術の長期成績 主題

内視鏡的乳頭括約筋切開術の長期成績

著者: 藤本荘太郎1 中島正継1 吉田俊一1 今岡渉1 安田健治朗1 小林正夫1 趙栄済1 西村和彦1 向井秀一1 清田啓介1 山口勝通2 木本邦彦3

所属機関: 1京都第二赤十字病院消化器科 2京都五条病院内科 3大阪鉄道病院消化器内科

ページ範囲:P.1181 - P.1193

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要旨 1973年8月より1985年5月までの約12年間に,776例の内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)を行い,726例(93.6%)に目的とする種々の臨床的効果を得た.早期合併症は32例(4.1%)にみられ,2例(0.26%)の死亡例を経験した.1年以上の追跡調査ができた良性疾患326例(胆管結石および乳頭狭窄症)について長期成績を検討した.腹痛・発熱・黄疸などの自覚症状は61例(18.1%)にあり,その中で後期合併症が証明されたのは24例(7.4%)であった.再発胆管結石15例,胆囊炎6例,胆管炎3例であり,再発結石の5例と胆囊炎の5例に外科的治療がなされた.再発結石および胆管炎は,切開範囲の小さい症例に多い傾向がみられた.また,有石胆囊残存群70例中6例(8.6%)に胆嚢炎発生がみられたのに対し,無石胆囊残存群55例では胆囊病変は認めなかった.後期合併症症例に死亡例はなく,ESTの臨床的有用性と安全性は高く評価しえた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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