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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻11号

1985年11月発行

文献概要

今月の主題 内視鏡的乳頭括約筋切開術の長期成績 主題研究

外科的乳頭切開術の長期予後―15年以上経過例の検討をもとに

著者: 田中雅夫1 松本伸二1 吉本英夫1 池田靖洋2

所属機関: 1九州大学医学部第1外科 2福岡大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1215 - P.1221

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要旨 1965年より1970年まで外科的乳頭切開術を受けた74例のうち術後早期に死亡した2例を除く72例について1981年と1985年の2回,術後経過を調査した.第1回調査では53例(74%)が回答,うち10例が死亡,35例(81%)が無症状,8例が有愁訴であった.第2回は生存62例を対象とし,47例(76%)に回答を得た.新たに2例が死亡,無愁訴が38例(84%),有愁訴が7例であった.死因は脳卒中5,肝癌3,胃癌1,老衰1,不明2である.胆道由来と思われる症状を呈した例は第1回で4例(9.3%),第2回で3例(6.7%)と予想外に少なかった.外科的乳頭切開術の長期予後は,本術式が乳頭形成術へと変遷していった過程で主張されたほど悪いものではないようであり,このことは内視鏡的乳頭括約筋切開術の長期成績に明るい見通しを与えるものと言えよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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