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書評「肝切除のテクニックと患者管理」
著者: 小澤和恵1
所属機関: 1京都大学・第2外科
ページ範囲:P.1221 - P.1221
文献購入ページに移動 消化器癌の内で,肝癌は胃癌に次いで多い.しかし,肝動脈塞栓術が非常に良好な治療成績を収めている以上,肝切除術は安全に,しかも,より根治性をもって施行されなければ,外科医は信頼を失うことになる.この時期に,かねて肝切除術に情熱を傾けられてきた本邦の第一人者たる長谷川博部長によって「肝切除のテクニックと患者管理」が刊行されたことは時宜を得ており,非常に喜ばしいことである.
文中にも述べられているように,著者が臨床実践主義をモットーとして,血漿大量療法に始まり,術中超音波検査を導入し,更に片葉阻血手技を確立し,本邦における肝癌に対する外科的治療成績を著しく向上せしめたことは事実で,その基礎と臨床が調和した独得の考え方は世界のレベルを大きく越えたものと言ってよい.一貫した流れは肝切除成績を向上せしめようとする気骨である(冒頭で述べているごとく).また,肝臓という代謝の中心的臓器の切除は管腔臓器を扱う感覚で行ってはならないということも事実である,こういった老えから,読者の立場に立ってわかりやすいことを心掛けて,情熱を込めて執筆されている.
文中にも述べられているように,著者が臨床実践主義をモットーとして,血漿大量療法に始まり,術中超音波検査を導入し,更に片葉阻血手技を確立し,本邦における肝癌に対する外科的治療成績を著しく向上せしめたことは事実で,その基礎と臨床が調和した独得の考え方は世界のレベルを大きく越えたものと言ってよい.一貫した流れは肝切除成績を向上せしめようとする気骨である(冒頭で述べているごとく).また,肝臓という代謝の中心的臓器の切除は管腔臓器を扱う感覚で行ってはならないということも事実である,こういった老えから,読者の立場に立ってわかりやすいことを心掛けて,情熱を込めて執筆されている.
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