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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻11号

1985年11月発行

文献概要

症例

生検で診断された胃histiocytosis Xの1例

著者: 白塚正典12 岩渕三哉3 渡辺英伸3 鈴木利光3 石原法子3 佐々木亮3

所属機関: 1町立堀之内病院内科 2現・白塚内科医院 3新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1235 - P.1243

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要旨 患者は49歳女性.胃集検にて“異常レリーフ”を指摘され,精査のため来院.X線および内視鏡検査にて,胃のほぼ全域に無数の半球状隆起性病変が認められ,いずれの隆起も組織球の粘膜内増殖で形成されていることが生検で確認された.同細胞の多くはS-100蛋白陽性,lysozyme・NCA陰性であった.更に,電顕的に少数の細胞にはBirbeck顆粒が確認された.小腸,大腸を含む全身の検査で胃以外に病変が認められないことから,胃histiocytosis Xと診断された.消化管原発のhistiocytosis Xの報告例は本例を含めて世界で4例あり,いずれも胃に発生している.本例は組織球が胃のほぼ全域の粘膜固有層内にびまん性に増殖し,肉眼的にポリポーシスを呈した点が特徴であり,生検で診断された最初の報告例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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