icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻12号

1985年12月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の早期診断 主題

表在食道癌の病理学的診断―肉眼的および組織学的診断と問題点

著者: 板橋正幸1 廣田映五1 森浦滋明1 飯塚紀文2 渡辺寛2 加藤抱一2 山口肇3 平嶋登志夫4

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2国立がんセンター病院外科 3国立がんセンター病院内科 4都立豊島病院内科

ページ範囲:P.1293 - P.1302

文献購入ページに移動
要旨 国立がんセンターで手術切除された表在性食道癌34症例,42癌巣の肉眼的・組織学的病理検索結果を供覧し,肉眼深達度判定基準および肉眼型分類の作成を試みた.深達度別頻度はintraepithelial(ep)8例,粘膜筋板まで(mm)6例,粘膜下層まで(sm)28例であり,リンパ節転移はsm癌の11例(38%)に認められた.深達度診断,特にsm浸潤は,隆起を呈する部位,深い明瞭な陥凹部位に認められることから,両所見(隆起と明瞭な陥凹)が重要であると言える.肉眼型分類は大まかに(Ⅰ)表在隆起型,(Ⅱ)表在平坦型,(Ⅲ)表在陥凹型の3基本型に分け,更に亜分類を設けた.混合型も半数ほどあり,それらはⅢ+Ⅰ,Ⅱ+Ⅲなどのごとく表現することが深達度推定の立場からも良策と考えられた.更に組織学的診断の問題点として,①epとmmの鑑別,②食道腺および同導管内癌進展の深達度判定との関係,③dysplasiaとcarcinoma in situとの鑑別,④上皮内癌の分化度の基準などを挙げて考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら