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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻12号

1985年12月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の早期診断 主題

食道粘膜内癌の臨床診断―内視鏡および超音波内視鏡を中心に

著者: 吉田智治1 宮崎誠司1 河原清博1 平田牧三1 西村滋生1 伊藤忠彦1 相部剛1 大谷達夫1 藤川佳範1 岡崎幸紀1 竹本忠良1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1321 - P.1330

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要旨 食道粘膜内癌の内視鏡所見,超音波内視鏡による食道癌深達度診断を中心に検討し,以下の結論を得た.(1)食道粘膜内癌の内視鏡所見は,粘膜面の凹凸変化はごくわずかで,表在平坦型あるいはそれに近い所見を呈していた.表在癌症例で混合型を示した11例中1例(9.1%)のみが粘膜内癌であり,他は粘膜下層癌であった.(2)食道粘膜内癌を診断するには,内視鏡検査時に,粘膜面の色調差に注目することが最も重要であり,癌が疑われる場合には,食道ルゴール法を併用することにより,粘膜内癌をより正確に診断することが可能であった.(3)超音波内視鏡で,正常食道壁は基本的に5層構造を示し,粘膜内癌症例でも,癌深達度をこの層構造の変化として客観的に診断することが可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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