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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻12号

1985年12月発行

文献概要

症例

平坦型S状結腸m癌の1例

著者: 志田晴彦1 山本登司1 黒木尚1 増田幸蔵1 松村健三1 今成朋洋1 町田武久1 浅野哲2 長島郁雄3

所属機関: 1東京厚生年金病院外科 2現国立病院医療センター外科 3東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1351 - P.1355

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要旨 最近大腸早期癌の中でも低い隆起,扁平ないし陥凹型の病変が注目されているが,われわれはS状結腸のⅡcないしⅡb類似の平坦型m癌を経験したので報告する.患者は64歳男性.当院人間ドックにおける一次スクリーニングとしてのS状結腸ファイバースコープにて,肛門縁より28cmの部位にほぼ平坦な限局性発赤病変が発見され,生検の結果腺癌と判明した.S状結腸切除を施行したところ,切除標本では18×12mmのほぼ平坦な発赤病変であり,組織標本では粘膜内に限局した高分化腺癌であった.単発性の平坦ないし陥凹型の早期高分化腺癌は数少ないと思われるが,内視鏡検診の普及などにより今後症例が集積される可能性もあり,大腸早期癌の一型として注目したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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