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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻2号

1985年02月発行

今月の主題 胃診断学20年の歩みと展望―良性疾患を中心として

主題

胃診断学20年の歩みと展望―胃潰瘍(急性潰瘍を含む)を中心に

著者: 斉藤利彦1 川口実1 原田容治1

所属機関: 1東京医科大学内科

ページ範囲:P.129 - P.134

文献概要

要旨 胃潰瘍の診断はより質的診断(機能的診断)へと目が向けられ,胃生検の幅広い普及により鑑別診断-主として早期胃癌,胃悪性リンパ腫一にも一層重点が置かれてきている.一方,典型的な胃の線状潰瘍が少なくなっており,外科的治療を要する胃潰瘍も減少傾向を示している.すなわち,診断の進歩による早期治療や生活環境の向上にも起因していると思われる.薬物療法としてのH2受容体拮抗剤の登場は,潰瘍治癒の向上をもたらしている反面,依然として再発には今後の検討課題が残されている.胃粘膜防御機構の解明がなされつつある現在,防御因子と攻撃因子の両面を考慮した治療モデルの確立が望まれる.急性胃潰瘍と慢性胃潰瘍の関連性についても,今後,成因あるいは病態生理面での検討がなされるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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