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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻2号

1985年02月発行

文献概要

今月の主題 胃診断学20年の歩みと展望―良性疾患を中心として 主題

胃診断学20年の歩みと展望―胃潰瘍を中心に

著者: 熊倉賢二1 関根肯之1 今井裕1 杉野吉則2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線診断部 2平塚市民病院放射線科

ページ範囲:P.135 - P.144

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要旨 戦後,わが国ではニッシェおよび胃の変形の研究によって,胃潰瘍のX線診断学は進歩した.20年以上前のことである.そして,過去20年の歩みは,次のようである.(1)瘢痕区域の検索により,胃潰瘍の治癒経過,治癒判定,再発などについてのX線診断学が登場した.(2)線状潰瘍や多発性潰瘍による胃の変形についての知見が一層詳しくなった.(3)急性胃潰瘍のX線診断学が始まった.(4)胃潰瘍の良・悪性の鑑別診断が明確になった.(5)胃体部,幽門部,幽門前部,大彎側,胃高位(胃上部)など,部位別にみた胃潰瘍のX線診断が検討された.(6)その他.その間,日本人の消化性潰瘍による死亡率は漸減している.そして近年,ulcus callosumの症例はほとんどなくなった.また,線状潰瘍の症例は減少し,特に著しく長い線状潰瘍の症例は激減している.なお,X線写真を一段と鮮明にするような,X線装置その他の開発は全くなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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