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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻2号

1985年02月発行

今月の主題 胃診断学20年の歩みと展望―良性疾患を中心として

主題

胃診断学20年の歩みと展望―ポリープを中心に

著者: 福地創太郎1

所属機関: 1虎の門病院消化器科

ページ範囲:P.145 - P.154

文献概要

要旨 最近20年間のわが国の胃ポリープに関する知見の進歩を顧みると,それまで広く胃ポリープとして一括されていた病変の中で,過形成性ポリープといわゆる異型上皮から成るポリープとが明瞭に区別して論じられるようになり,更に,後者の広く異型上皮巣と称される病変の中で,われわれがⅡa-subtypeと仮称してきた病変が,臨床病理学的な1つのdisease entityとして,小腸小皮型の腺腫とみなされ,比較的良性の病変として浮き彫りにされてきた.また,家族性大腸腺腫症の随伴病変として見出された胃底腺ポリポーシスが,それとは無関係にも存在することが明らかになった.このように胃ポリープの中で,臨床病理学的に異質の種々の病変が分離・解明されるに従い,それぞれ特有の内視鏡像が明らかになり,胃ポリープの鑑別診断が発達してきた.ポリープの癌化の問題に関しては,過形成性ポリープやⅡa-subtypeの癌化はまれと考えられるが,いわゆる異型上皮巣と言われるもの全体についてみると,2cm以上の病変では病巣に限局する癌を併存する例が少なくないことが明らかにされ,また,中村Ⅳ型のポリープも癌それ自身であるか,あるいは癌化が多いとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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