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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻2号

1985年02月発行

文献概要

今月の主題 胃診断学20年の歩みと展望―良性疾患を中心として 主題

胃診断学20年の歩みと展望―慢性胃炎の内視鏡診断

著者: 竹本忠良1 榊信広1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.167 - P.176

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要旨 われわれは慢性胃炎の内視鏡診断の歴史を,特にこの20年の進歩という区切を設けて整理してみた.慢性胃炎研究史上最も有名なR. Schindlerは,1922年に初めて慢性胃炎の所見を記載したが,彼が表層性胃炎,萎縮性胃炎,肥厚性胃炎と分類した胃鏡分類は,その後の数多い批判にもかかわらず,今日なお慢性胃炎診断の基礎となって生き続けており,数多くの研究者に先賢として大きな影響を与え続けている.20年前,筆者の1人竹本は萎縮境界(胃底腺-幽門腺境界)と腸上皮化生をファイバースコープで診断可能であると報告したが,近年,色素内視鏡と近接・拡大観察でもって,これらは容易に診断できるようになった.強調したいことは,慢性胃炎の内視鏡診断は,臨床的には不可逆性萎縮性変化の指標としての萎縮境界と,可逆性表層性変化としての発赤やびらんを共に観察することによって行うべきであるという考え方である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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