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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻2号

1985年02月発行

文献概要

研究

CEAモノクローナル抗体を用いた大腸腺腫,腺腫内癌,進行癌の免疫組織化学的研究―特に大腸粘液組成との対比について

著者: 久保田芳郎1 武藤徹一郎1 阿川千一郎1 沢田俊夫1 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.183 - P.189

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要旨 手術およびポリペクトミーによって摘除された大腸腺腫91例,腺腫内癌7例,進行癌12例について,ホルマリン固定パラフィン包埋後CEAモノクローナル抗体(CM-010)を用いた酵素抗体法によりCEAを免疫組織化学的に染色し,その組織内局在を検討した.更にPeriodic Acid-Thionin Schiff/Potassium Hydroxide/Periodic Acid-Shiff(PKP)染色により大腸粘液のシアル酸組成を検索しCEAの染色性と対比した.その結果CEA陽性でかつシアル酸の側鎖に隣接する水酸基を有しPKP染色で紫~青に染まる症例は軽度異型腺腫 22/74(30%),中等度異型腺腫 13/17(76%),腺腫内癌 5/7(72%),進行癌 12/12(100%)と組織学的異型度が増すにつれ両者とも増加しており,CEAと側鎖に隣接する水酸基を有するsialomucinの出現は互いに関連していると考えられた.以上よりadenoma-carcinoma sequenceにおける形態学的な変化と並行ないし先行してbiochemicalな変化がみられることが示唆され,大腸癌のhigh risk群の検索に利用できる可能性があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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