icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻2号

1985年02月発行

文献概要

症例

絨毛状発育を呈したⅡa集籏型早期胃癌の1例

著者: 扇和之12 関根一郎3 国崎忠臣4 鳥越敏明4 別府良彦5

所属機関: 1長崎大学医学部第1外科 2現東京女子医科大学放射線科 3長崎大学医学部原研病理 4佐世保中央病院外科 5別府内科医院

ページ範囲:P.207 - P.212

文献購入ページに移動
要旨 患者は45歳の女性.食後の腹部膨満感,および心窩部痛を主訴として来院.理学的所見および臨床検査成績では特に異常を認めない.胃X線および内視鏡検査では胃体部より前庭部に及ぶ広範な扁平隆起を認め,Ⅱa集簇型早期胃癌を疑われた.胃生検にて高分化型腺癌が認められたため,1982年10月1日に胃全摘術を施行した.切除胃肉眼所見では扁平隆起は胃体部から前庭部に及び,大きさ約8×8cm,大小の顆粒状隆起から成っている.組織学的にはよく分化したadenocarcinomaであり,そのほとんどは著明な絨毛状発育を呈していた.正常粘膜部ではPaneth細胞を欠いた非分化型の腸上皮化生が主体を成していた.酵素抗体法によるCEA特異染色を行ったが染色性は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?