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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻3号

1985年03月発行

今月の主題 大腸診断学の歩みと展望

主題

大腸X線検査法・診断法の歴史と今後の展望

著者: 牛尾恭輔1 笹川道三1 山田達哉1

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部

ページ範囲:P.249 - P.261

文献概要

要旨 大腸のX線診断学の歴史は,X線検査法の歴史と深く相関しており,次の4つの時期に区分すると理解しやすい.すなわち,Ⅰ期:X線が発見され蒼鉛剤などが,造影剤として使用された時期,Ⅱ期:造影剤として硫酸バリウムが経口的または注腸的に用いられたが,充盈法や粘膜レリーフ法が主体であった時期,Ⅲ期:注腸二重造影法が開発・導入された時期,Ⅳ期:腸洗が不要な直接二重造影法が主流となり,また粘膜の基本像が定まり,微小・微細診断が確立した時期,である.まず,各時期における先達者の業績とX線診断学への意義について述べ,次に,本邦における大腸X線診断学の歩みを述べた.その中で白壁・市川により思想的に質的転換が行われ,わが国独自の消化管診断学確立への大きな礎となったことを明らかにした.また,過去20年間における大腸X線診断学で,世界をリードしえた主要な業績について概説した.最後に,二重造影法および形態学に対する筆者の見解を示し,今後の展望については,“X線病態学”,“X線病態生物学”を指向した私見を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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