文献詳細
今月の主題 大腸診断学の歩みと展望
主題
文献概要
要旨 最近20年間のcolonoscopyの変遷を概観した.「胃と腸」の創刊は奇しくもcolonoscopeの誕生と時期をほぼ同じくし,その普及発展と共に歩んできたと言える.20年間の主題を振り返ってみると,大腸の主要疾患のすべてが主題に取り上げられていると共に,ポリペクトミー,健診,スクリーニング,拡大観察にまでも及んでいる.「胃と腸」は診断中心の雑誌であり,器械,検査法に関してはたとえ載っても,確立されてからのものが多い.したがってこの時期の大腸内視鏡に関するscopeの開発,挿入法は主として学会誌である「Gastroenterological Endoscopy」の論文,学会のシンポジウム,パネルディスカッションをみることによって補った.最初の10年間は内視鏡の挿入,器種の改良にエネルギーが割かれ,あとの10年ではそのscopeを実際の臨床に使って多くの成果を挙げてきたというのが大雑把な歴史である.更に近年では適応の拡大(小児スクリーニングなど)と研究面の展開(大腸生理面,動物実験など)がなされている.その間にあって,器械のたゆまざる改良・努力も見逃せない.
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