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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻3号

1985年03月発行

文献概要

今月の主題 大腸診断学の歩みと展望 主題

大腸診断学の歩みと外科

著者: 武藤徹一郎1 上谷潤二郎1 沢田俊夫1 安達実樹1 小西文雄1 杉原健一1 久保田芳郎1 阿川千一郎1 斉藤幸夫1 根岸征示1 北島義久1 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.273 - P.281

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要旨 大腸癌,ポリープ(腺腫),潰瘍性大腸炎,Crohn病における診断学の進歩を外科的治療とのかかわり合いの面から眺めてみた.外科的治療と最も関係が深いのはポリペクトミーの開発であり,これによって従来行われてきたようなポリープに対する手術的治療法はほとんど不必要となってしまった.また,この新しい診断・治療法からsm癌をどのように治療すべきかという新しい問題が提起されることになった.ポリペクトミーの発展以外には,診断学の進歩よりは疾患概念の正しい理解と思考の転換によって,外科的治療方針が著しく変化してきたことが示唆された.直腸癌に対して前方切除,局所切除が,潰瘍性大腸炎に対して括約筋温存術が,正しい適応のもとにより頻繁に行われ,良好な成績を収めつつあることは外科的治療学の進歩であると考えられる.大腸癌の診断学がほぼ確立された現在,より早期の癌をより多く発見するためには,high risk群の選別法,スクリーニング法の確立など,新しい分野の進歩が必要であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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