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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻3号

1985年03月発行

今月の主題 大腸診断学の歩みと展望

主題

腸疾患の病理診断の歩みと展望―「胃と腸」の論文を中心に

著者: 渡辺英伸1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.283 - P.292

文献概要

はじめに

 本誌「胃と腸」が創刊されて20年になる.この間,この雑誌が,日本において腸疾患の病理診断に果たしてきた役割はどのようなものであったろうか,また世界におけるそれはどのようなものであったろうか.本稿で,「胃と腸」をとおしてみた日本における腸疾患の病理診断の歩みと展望を述べてみたい.

 わが国では,消化管の診断学は胃疾患の診断学から始まった.このことは「胃と腸」の表紙の文字の大きさが対等になったのが1977年の12巻1号からであることからも窺い知ることができる.わが国における腸疾患の臨床病理診断学は,初期には症例数が少ないことや臨床側の腸診断学の遅れなどもあって,1960年代までは,多くの分野で欧米に遅れ,欧米の臨床病理診断学の紹介や模倣に終始していた感があった.それ以降,世界的な,わが国の胃診断学の手法が腸疾患へ導入されるようになって,わが国の腸疾患病理診断学はある分野では追従から追い越し,ある分野では新知見の発見と著しい進歩を遂げてきた.これらの歩みを,病理診断学の立場から,腸の腫瘍(様病変)と炎症とに大別し,それぞれの代表的疾患について述べ,各疾患における問題点を探ってみたい.なお特に断らない限り,巻号数は「胃と腸」掲載論文を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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