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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻4号

1985年04月発行

文献概要

今月の主題 膵・胆道の形成異常 主題症例

膵・胆管合流異常で術後膵石の形成をみた例と膵管非癒合に鉤状部癌の発生をみた例の2症例

著者: 大井至1 土岐文武1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.385 - P.388

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要旨 膵・胆管形成異常は奇形であり,成人例においては直接病因となるよりは,病因的素因と考えられる.そのため,膵・胆管造影上は,像に変化をみないで経過する例がほとんどである.〔症例1〕は29歳女性で,総胆管の嚢腫状拡張を伴い,膵管末端の異常拡張部に非陽性膵石を認めた膵・胆管合流異常(CCC)であるが,嚢腫摘出術後7年目に陽性膵石を認めた.分流術が行われているため,膵石生成の原因は基礎疾患によるものか,手術によるものか明らかではない.〔症例2〕は79歳男性で糖尿病があり,膵管非癒合,そして腹側膵管の異常像から,腹側膵の慢性炎症と考えられた症例である.しかし,4年後に膵鉤状部に摘出不能な膵癌の発生をみた.この例では,むしろ初回検査時に膵癌の存在を見落としていたと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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